陸地から手軽に釣るときの、基本をまとめています。
結構釣り方を忘れてしまう魚もいるので、自分用の備忘録も兼ねています。
主にはよく釣れるアカエイついてのお話しです。エイは害魚・外道扱いされる魚ですが、簡単に釣れる上に味も良いので、釣りに食欲を持ち込むタイプの人は釣り対象として一考の余地ありです。大抵いいサイズが釣れますので、身の量も多いですしね。
エイの生態
日本近海ではほぼすべての地域で浅瀬から700mくらいの深場まで広く分布しています。砂泥底を好み、普段は砂に埋まり、目など体の一部だけを出して生活しています。
肉食性の魚で小魚や貝、甲殻類などを捕食します。フィッシュイーターではありますが泳ぐスピードは見た目より早い程度で決して素早いわけではありません。主に海底に沈んでいるものに覆いかぶさるようにして対象の殻を破砕しつつ捕食する形態で、対象の生死を問いません。
産卵期は5~8月頃で、より浅場に集まってきます。エイは自分の体内で孵化させる卵胎生の魚です。
エイ釣りの仕掛け 作り方
底に住む魚・肉食・捕食が下手ときたら切り身を使用したぶっこみ釣りを行います。海底に落ちている切り身を捕食する魚はそう多くないので、エイが釣れる確率はかなり高めになります。使用するタックルの例は以下の通り。
・竿(一番強い竿を推奨 磯竿5号など)
・リール(道糸が150m以上巻けるサイズ)
・道糸(最低ラインとして、ナイロン6号以上、PE1.5号以上)
・サルカン
・天秤
・オモリ(流されない重さ 20号など)
・ハリス(道糸PEならナイロンかフロロ 道糸ナイロンならワイヤーハリスも視野)
・針(折れるので軸の太いもの チヌ針や丸セイゴ針など)
・大きめのタモ網ないしギャフ
天秤なしで中通しオモリでも問題ありませんし、クッションゴムなどを挟んでもいいと思います。
リールが許せばナイロンラインのほうが扱いやすいと思いますが、大きなリールが必要になります。
私の周りで良く釣れるサイズである幅40cmくらいのエイであれば、ナイロン6号でだいたい堤防際まで寄せられると思いますので、最低ラインとして上記タックルを記載しています。
正直言って上記タックルではメートルクラスの巨大エイには到底対抗できないと思います。繊細な釣りではありませんので、持ちうる最高強度のタックルを持ち込むくらいの感覚で良いと思います。
エイにも適用できる話か不明ですが、タックルにかかる負荷は対象魚の体重*1.7-1.8倍くらいとされています。大きなエイは10キロ15キロにもなる重量級で、これにこちらが引っ張る力も加わります。強度は高いに越したことはありません。
エイ釣りのエサ
エサは臭いが強くて入手が容易なサンマかサバの切り身が良いと思います。エイは結構何でも食べるので魚の種類はあまり気にしなくてよいとは思います。イカでもOKです。
生餌でも当然釣れるとは思いますが、動きの速い魚ではないですし、入手も保管も楽なので切り身で良いと思っています。
エイ釣りのやりかた
エイを釣る場合、とにかく底から少し浮かせることが重要になります。砂に潜られてしまうとまともに引き上げるのは大変難しい状況になってしまいますし、障害物の陰などにも隠れやすくなってしまいます。そしてこの少し浮かせる方法が基本的には力ずくしかないため、負荷が大きくなります。
もし潜られてしまった場合は、ダメもとでラインを緩めてしばらく待ってみると、自分から泳ぎだして浮いてくれることもあります。
浮かせてしまえばあとは持久戦です。糸の号数を考慮してあまり無理して引きすぎないようにしてください。もう慌てて対応する必要はありません。
岸まで釣れてきたら必ずタモ網なりギャフなりの引き上げるための道具であげるようにしましょう。
エイ釣りに適した季節
年中いますが水温が高い時期と産卵期に特に浅瀬に集まるため、6~9月頃が良く釣れます。
エイ釣りに適した時間帯
夜釣りのほうが活発にエサを探しているため釣れやすいですが、昼間でも釣れます。元気に泳いでいる小魚を捕食するのではないためか、あまりマズメ時などの影響を受けているように見えません。さほど時間帯は気にしなくて良いように思います。
個人的には明るいうちに釣ることをおすすめします。毒針があって危ないですし、体形のせいでタモ網に入れるのも暗いと苦労することがあります。もちろんギャフを刺すのも見えにくいですしね。
エイの締め方 持ち帰り方
エイは陸上においては他の魚のように大きくビチビチと動くことはできません。とはいえ毒針は危ないので尻尾側にはなるべく近づかないようにしたほうが良いです。
早めに締めて動く可能性を減らしたいので、ナイフを噴水孔(目の下に穴が空いてる)よりやや尻尾よりの位置に刺してぐりぐりします。その後念のため、尻尾の先を何かで強く押さえつけて(私はクーラーとか乗せてその上に体重をかけてます)しっぽごとナイフで切断するようにしています。
裏返してエラを切断し血抜きをしますが、いかんせんバケツに入るサイズでもないのでフックなどに吊るして海で洗うか、バケツの水をエラ部分にかけ入れるなどするしかありません。
そしてクーラーに入れにくいので基本現地で解体をします。エイの可食部はヒレ2枚と肝だけです。なんだかもったいない気がしますが、胴体部分は不要なので生ごみです。
エイの食べ方
ヒレは皮を剥ぎたいところなので、まずはたわしなどでごしごしとぬめりを落とします。エイの皮は非常に強いので両面共にかなりガシガシ洗って問題ありません。このタワシ工程によって皮が少し剥がしやすくなるらしいですが、体感的にはあまり変わりませんでした。
皮の端っこをなんとかして少しめくり、ペンチで掴んで引きはがします。かなり力が要ります、厳しい場合は先に小さめに切り分けてから剥がします。熱湯にくぐらせると剥がしやすくなるという話も聞いたことがあります。
エイヒレの中心というか中層には軟骨が入っています。ヒレは身と軟骨に分けたほうが使いやすいです。軟骨に沿って包丁で削げばそう難しいことはないと思います。
肝に関しては胆のうが埋まっているため、肝の一部もろとも包丁で取り除きます。表面から黒緑色っぽい物体が見えると良いのですが、見えない場合は少しずつ削いでみるか、元の状態で言うところの頭側(上部)の1/4ほどを切り捨ててしまってもいいかもしれません。
・煮付け
ヒレも肝も一緒にいただける一品です。人によるでしょうが肝はだいぶ濃厚ですので少量にしてお試ししたほうが良いと思います。
・お刺身
ヒレはコリコリ系の食感です。好きな人は好き、私はほかの調理法のほうが好みです。肝刺しは、禁止されてしまったレバ刺しの代わりになるレベルでおいしいそうです。(私は生の内臓系は苦手なので聞いた話になります。)酒につけて臭みを消し、薄皮をはいでごま油にて。軽く湯通しするのも良いようです。
※寄生虫に注意してください。
・天ぷら
身の部分だけであれば天ぷらでいただけます。生ではコリコリの食感なのですが、火を通すとふわふわになります。脂が少ないので衣と相性抜群です。
・唐揚げ
唐揚げについては軟骨部分も使用できます。厚切り過ぎると軟骨に火が通りきらないので、軟骨は軟骨だけで揚げてください。また、この場合は皮を剥がさなくても食べられるようです。
・干物
居酒屋などでも出てくるいわゆるエイヒレですね。みりん醤油酒砂糖を混ぜた調味液につけて乾燥させるだけ、と思いきやこれが結構難しいです。調味液の配合が違うのか、お店の味には程遠いエイヒレが完成しますがそれはそれでおいしいです。炙ると柔らかくなってよりおいしいのは変わらず。
・干物
ちなみに軟骨も干物にして炙るとパリパリでおいしいです。
その他
わたしは釣ったことがありませんが、肝についてはホシエイが一番おいしいらしいですよ。もし釣れたら食べてみたいですね。
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