20231123_白浦漁港
もともとは11月18日土曜日に予定していた釣りだったが、風速予報が10m/sを超えていたため断念し、この日になった。週の半ばの祝日に無理やり行ったため、前日は2時間半程度の仮眠だけ取り、朝2時に出発となった。距離がある釣り場の朝マズメ狙いでいくとこういうことになるのでなるべく避けているのだが、それでも釣りには行きたいのでたまに無理をすることになってしまう。
当日の天気は晴れ時々くもり、11月後半としては相当に暖かい日だった。それでも海からくみ上げた水に手を入れると明らかに暖かいと分かるくらいにはなっており、冬を感じる。
このくらいの時期だと午前4時半ではまだ暗いため、完璧に朝マズメを狙うことができる。夏場だともっととんでもない時間に出発しないと到着したころにはすでに明るくなっていたりするので、その点は助かるポイントだ。ただ残念なことに満潮時間が午前2時くらいで、到着したのが4時半程度だったので引き潮での朝マズメを迎えることとなった。
元の予定通りの18日であれば、満潮時間が到着してちょっと後くらいだったため日取りとしては最高だったのだが、突発的な変更があるとこういうところまで考慮した日程は難しいためやむを得ない。
幸いなことに風はほぼなくほかの釣り人も一人もいなかったので最高のポジションを取ることができた。この釣り場は冬でもアジが釣れるのでエサ用としてまずはアジ釣りを始めた。この釣り場の問題点として、堤防の周りに大量のネンブツダイが生息していることがある。サビキを入れるとすぐネンブツダイがたくさんかかってしまうので、アジが狙いにくい。
少し遠めをウキサビキなどで狙えばこれは避けられるのだが、個人的にサビキはノーマルの仕掛けが好みである。カゴにオモリを追加して早めに沈めることで表層にいるネンブツダイを避けつつもう少し底のほうにいる魚を狙うことにした。
ちょっと大き目の、10cmくらいの魚が何匹が連続で釣れ、ぱっと見大きいネンブツダイに見えたがよくよく見ると違うもののようだ。一緒にいた友人も何の魚か分からず、少し明るくなったくらいの頃にはもう釣れなくなってしまったので正体は分からなかった。目がかなり大きく、頭でっかちスタイルの魚で、状況的に夜行性なのだろう。1匹残しておけばよかった。
その後は小さいアジが少々釣れたのでのませ釣りもスタートする。潮はあまりよくないはずだが朝マズメ補正ですぐに鈴がなった。あわせて引き上げてみると25cmくらいのオオモンハタだった。尾鷲付近ではハタが結構釣れる模様。もう1回鈴がなったのだが、残念ながら潜られてしまったようで根掛かりしてしまった。
この漁港のもう一つの問題点は、足元が石畳で奥のほうにもところどころ岩礁か何かがあるようで、投げるタイプの釣りをするとすぐ根掛かってしまう点がある。海もきれいでいろいろ釣れるにもかかわらず人気がないのはこういうところなのかもしれない。
その後は友人ののませ仕掛けに1回、私の仕掛けに1回あたりがあったがいずれも不発。特に友人のものにはおそらくヒラメと思われる強い引きがあったので期待したが、ハリスが切れてしまったようだ。聞けばずいぶん細いハリスを使用していたようで、こんな大物がかかるとは思っていなかったらしい。
日が昇ってからは何が釣れるか分からなかったがお試しでカゴ釣りを行った。チャリゴはいるのでマダイでも釣れないものかと思っていたが、なかなか現実は厳しいようだ。サビキでも釣れるような小さなアジが数匹釣れる程度で一向に大きなあたりはない状況が続く。この小さなアジはウキを沈めるパワーがなく、ちょびっとウキが引っ張られる程度であった。
そうこうしているとウキをちゃんと沈めることができる魚がかかったようで、油断していてあわせられなかったがなんとか引き上げてみると、これまた見たことのない魚であった。青色の背中に黄色のライン、友人曰く高級魚じゃなかったかとのこと。
調べてみるとタカベという魚らしい、実はサビキなどで普通に釣れる魚みたいなのだが初めて知った。色は青色で若干毒々しいが確かに高級魚で美味らしい。サイズは15cm程度でちょっと小さいが、最大でも20-25cmとのことだし、初めて見る魚とくれば食べてみるしかない。こいつが合計2匹釣れたのと、さすがにリリースというサイズが2匹、確かに普通に釣れるようだ。
このあとが問題で、翌日が平日で仕事がある関係上あまり無理もできないし、15時くらいが次の満潮ということで14時くらいまで粘ってみることにしたのだが、朝マズメを過ぎてからは小さいアジがちょこちょこ釣れるばかりでほかの魚が全く釣れない状況になってしまった。
ちょくちょく小魚が逃げ回りナブラが発生しているので大物も間違いなくいると思われるのだが、カゴ釣りものませ釣りもルアーもサビキもどれにも何もかからなかった。
前回来たときはカマスなども普通にいたし、もうちょっと釣れてくれても・・・というところだったが無理だった。表層で何かに追い回されている魚が釣れればワンチャンあったかもしれないのだが。
残念だが明日もあるのでこれで撤収となった。一応食べられる魚は入手できたし、始めてみる魚も釣れたのでひとまず満足ではある。オオモンハタだけ血抜きして持ち帰り。タカベはサイズ的にアジなどと同じ扱いで良いだろうと判断。
実食
オオモンハタは解体して煮付けへ。サイズの差かもしれないがキジハタよりは脂がだいぶ少ないように思う。あまり大きい鍋が手持ちにないのでこのくらいのサイズであれば頭ごと煮付けられるので楽だ。
味のほうは普通に美味だった。サイズが同じキジハタが釣れたら比較してみたいところではあるが、以前釣ったもう一回り大きいキジハタに比べるとさすがに劣る。大体の魚は限度はあろうものの大きければ大きいほどうまい。
で、問題のタカベのほうだが、小さいのでどうしようかと思ったが味が不明だったので刺身と、一番うまいとネットにあった塩焼きにしてみることにした。
2匹とも卵を持っており、これを食べるなら煮付けも選択肢だったが今回は諦めて予定通りとした。刺身にするとほんのちょびっとの量になってしまい写真を取り忘れてしまったのだが、一番近い味をあげるならブリ刺しという印象を受けた。こんな小さな魚にしっかり脂が感じられ、しかもブリ味とは驚いた。さすがは高級魚と言われる魚だ。
もう1匹はこれまた小さいが塩焼きに。うん、これも間違いなくうまい。たぶんブリを焼いてもこうはならないだろうなと思わせる、クセがなく確かな脂の旨味を感じるものだった。通常15cm級の魚でこれだけ脂の旨味を感じる魚はいない。
もっとたくさん釣れればよかったのだが、本来の釣りシーズンからはそもそも外れているようだった。シーズンは4-10月だそうで主に夏場の魚、来年はこいつ狙いで釣りにいってもいいと思えるくらいにはおいしかった。見た目がアレだからと捨てないようにしよう。