釣り竿ってものすごい種類が出ていますよね。特定の魚専用の釣り竿なんてものまであったりします。自分の釣りたいものに合わせて竿を選びましょうと言うけれど、そんなに何種類も揃えているとお金もかかりますし場所も取ります。そこで、おおざっぱに私がどういう考えで竿を選んでいるかお話ししようと思います。
今のところ堤防海釣り前提の記事です。思いつくこと全部書いていますがそのうち別記事にまとめるかもしれません。
竿選びの前提のはなし
竿というのは直接海に投入するものではありませんので、釣り具の中では釣果への直接的影響力は大きくありません。軽視するわけではありませんが、どちらかというと釣りがしやすいかどうかへの影響が大きいものだと思っています。
わかりやすい例でいえば、サビキ釣りを短い竿でやると、仕掛けが長くなるので全体を持ち上げる時に竿ごと腕を高く上げないと一番下についているカゴに手が届かずストレスだったりします。
竿の長さのはなし
個人的には竿選びの基準として長さが一番影響が大きいと思っています。多くの場合長いほうが便利なのですが、その分重くなりますし取り扱いにくくなります。
よく初心者向けの汎用竿として4メートルくらいの竿という話を聞きますが、個人的にはちょっと長いと思います。3メートルくらいが扱いやすいですよ。ルアーロッドでいうところの8.6フィート程度のごく標準的な長さです。
●竿が長いことのメリット
1.テトラポットからの釣りや前方に捨て石が入っているような場合、単純に長さでそれらを避けて仕掛けを投入しやすくなります。同様に仕掛けの回収もやりやすくなります。陸地からの釣りの場合、無視できないメリットです。
2.仕掛けを投げる場合、竿が長ければ長いほどよく飛びます。遠くに投げればいいというものではないケースも多々ありますが、やろうと思えば遠くも狙えるというのはアドバンテージです。
3.ウキやサビキを代表とする全長が長い仕掛けの場合、竿も長さがないと扱いにくいあるいはまともに扱えないことになります。
●竿が長いことのデメリット
1.単純に重く、取り扱いにくいです。竿自体にどれだけ軽い素材を使っていようとも、長い竿の先にオモリ付きの仕掛けがあるわけですから、距離の分重くなります。
2.動かしにくくなり、仕掛けの絡みを誘発することがあります。特に風があるときは要注意になります。
竿の値段のはなし
竿の値段が上がると何が変わるかというと
・適正使用時の強度と反発力(しなりの強さ)が上がる
・ガイド(糸を通す穴の付いたパーツ)の強度が上がったりさびにくくなったりする
・本体重量が軽くなる
というのが主要の差になります。素材の値段が違うということですね。
たったこれだけのことですが結構違いは大きく、特に重量は持っただけで明確にわかります。
しかしながら踏んだり落としたりしたときにも丈夫かというとそんなことはなく、むしろ傷には高級品のほうが弱いまであるらしいです。ですので最初は激安の竿で良いと思います。竿に関しては長ささえ使用条件にあっていればどれだけ安物でも大きな支障はありません。
竿の用途のはなし
大別するとウキ釣りをメインとする磯竿、投げ釣りをメインとする投げ竿、ルアーをメインとするルアーロッドがあります。
迷ったら投げ竿かルアーロッドを選択するのが良いです。磯竿で仕掛けを投げるのはやや難易度が高いですし使えるオモリがかなり限られます。対して投げ竿でのウキ釣りは特に制約がありません。針に掛かりにくかったり針が外れやすいなどはあります。
ルアーロッドでのウキ釣りは・・・聞きませんがやれなくはないと思います。
ルアー釣りは投げ竿でできないことはないのですが、短くて軽い投げ竿ならという前提が付きます。というのもルアーは常に竿をもって動かし続ける釣りになるため竿の軽さが大事なためです。
ではルアーロッドでエサ釣りはできないかというとそんなことはありません。ちょい投げ釣りならむしろやりやすいくらいです。主にエサ釣りをするのかルアーを使うのかで考えれば良いと思います。
竿の強さ(硬さ)のはなし
基本的に硬いほうが操作はしやすいです。意図しないところで勝手に曲がったりせず思ったとおりに動いてくれます。
柔らかい竿は半自動的に魚の引きの衝撃を吸収してくれるので、初心者でも魚を逃しにくいのが特徴。ただ操作しにくいのでおすすめはしません。
竿の強さはメーカーや竿の種類によってまちまちで非常にわかりにくいと思います。大手メーカーであれば強さごとの対象魚種などを表示してくれているので参考にしましょう。
原則としては、磯竿は号数が大きいほうが強い、投げ竿は錘負荷が大きいほうが強い、ルアーロッドはメーカーの表記次第なので確認が必要です。(L=ライトがついていれば弱め、H=ハードが付いていれば強めなどの目安は大体共通)
●強い竿(硬い竿)のメリット
曲がりにくいのでラインさえ合っていれば魚をかなり強引に引っ張ることができます。根に潜って逃げようとする魚などは最初にある程度無理やり底から引き上げたいケースは多いです。
強い竿になればなるほど重いオモリやルアーを扱えます。オモリが重ければ遠くへ飛ばしやすいですし、潮の流れでオモリが転がることも防ぎやすくなります。指定の位置から仕掛けが動かないことは結構重要なことです。
竿をしゃくればほぼダイレクトにその分の糸が引かれるため、魚がかかったときに合わせやすくオモリをちょっと近くに動かしたい場合なども、単純に竿を引けばその分動いてくれるイメージです。特にルアーでは細かい操作をしたい場合は恩恵が大きいです。
●強い竿(硬い竿)のデメリット
魚が掛かった際、反対向きに逃げれば大きくしなって衝撃を吸収し、こちらに向かってくるならしなりが減り常にラインに一定以上のテンションが掛かった状態が理想的ですが、硬い竿ではしなりが少ないためこの効力があまり見込めません。
上記と似ていますが口が弱い魚(アジとか)が相手の場合、衝撃が吸収できずに口がちぎれて逃げられてしまうことがあります。
軽いオモリやルアーでは竿がしならないため、軽いオモリにおける遠投能力が劣ります。
竿を複数本同時に出すはなし
ぶっこみ釣りのような、仕掛けを投げ込んで待つだけという釣りをやる場合、複数の竿を出していろんな場所を同時に狙うことが多々あります。もしくは1本はぶっこみしておいて、もう1本で別のことをやるなどもあります。
こういった半放置の釣りはほぼ投げ釣りに限定されるため、とりあえず投げ竿を買っておいてもこういう場面で役に立ってくれますから、そういう意味でも最初の1本は投げ竿がオススメとなります。
竿の重さのはなし
竿が重いことのメリットはちょっと思いつきません。ただし軽いこと=価格が高いと言っても過言ではないのでルアー釣り以外の場合は重量を考えるのは後回しで良いです。
また、置き竿を主体とする場合も竿の重量はあまり影響しないので重くてもいいので激安の投げ竿と、手持ち用のちょっといい竿を持っておくというのも良いと思います。
竿のしなり方(調子)のはなし
磯竿に先調子とか胴調子とかの記載がある場合があります。魚が掛かった時の負荷がどこにかかるかを示しているものです。あまり激安品やエントリーモデルには記載がないかもしれません。
先調子は主に竿の先端部がしなる作りで、先端以外はあまり曲がらないため魚の移動範囲を制限しやすく操作性が高いです。
胴調子は竿全体がしなる作りで衝撃の吸収力が高く魚を逃しにくいです。代わりに根元付近からぐにゃぐにゃするので操作性は良くありません。
ほかに七三調子や六四調子などというものもあります。七三調子であれば、一番よく曲がる部分が先端から3分目くらいになるもののことを指します。先述の調子のいいとこどりかと思いきや、どれが良い悪いは結局どう使うかによってしまいます。
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